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今年のイチバン! 大阪マラソン、完走!

今年を締めくくるにあたり、10月30日に出場した第1回大阪マラソンを書き留めておきたい。

  

今回の出場にあたり、読売新聞の取材を受けた。

☆☆ 情熱教育、走る意欲も点火 ☆☆

滋賀学園中・高の教諭安居長敏さん(52)(彦根市南三ツ谷町)は「マラソンは元気の素(もと)」と話し、本番に向け、自宅近くの湖岸で走り込む。フルマラソンの自己最高タイムは、走り始めた12年前に記録した4時間26分。その更新を目指し、「できれば4時間を切りたい」と意気込む。

別の私立校の教諭だった12年前、「フォーティーズ・クライシス」(40歳代の危機)という流行語にせき立てられるように、「このままでいいのか」と危機感を募らせた。「何か、一心に打ち込めるものを」と考え、体一つで可能なマラソンを選んだ。

雨の日も雪の日も、自分を追い込むために休まず走った。生き方そのものも変えようと、2002年に学校を辞め、彦根、東近江両市域をカバーするコミュニティーエフエム放送局の設立、運営に携わった。毎日が充実している感覚はあったが、忙しさにかまけて、いつしか走ることをやめていた。

再び、転機が訪れたのは06年。番組出演で出会った滋賀学園の関係者に“職場復帰”を誘われ、4年ぶりに教壇に立つことになった。教育現場に戻り、生徒と触れ合ううち、「学校から外に出して、地域の文化や自然に学ばせるべきだ」と感じ、総合学習の時間を利用して実践することに。そうした教育への情熱が再び、「走りたい」という思いにも火を付けた。

大阪マラソンに申し込み、一度は落選したが、追加抽選で出場が決まった。忙しい仕事の合間を縫って走り込む安居さんに、感心する同僚も少なくないが、「若いと言われるのがうれしいから、いつまでも、マラソンを続けていきたい」と、若々しい笑顔を見せた。

(2011年10月28日  読売新聞)

ニュートンカップ・ジュニア英語スピーチコンテスト、予選会を開催!

今日の午後、びわこ学院大学において、本校が主催する「第1回ニュートンカップ・ジュニア英語スピーチコンテスト」の予選会を行いました。

エントリー総数43名(小学3・4年生の部19名、小学5・6年生の部24名)のうち、23名(同11名、12名)が参加。多くのお父さんやお母さん、おじいちゃん、おばあちゃんが見守る中、練習の成果を存分に発揮して、元気で明るいスピーチを披露してくれました。

発表のあと、審査員を代表して本校ALTのベリンダ先生から、細部にわたっての講評、指導があり、来る10月8日の本選に向けて、さらなる磨きをかけるべく、みんな決意を新たにしていました。

なお、この日、予選会に参加できなかった人は、ビデオ審査を経て本選にコマを進めることになります。

ニュートンカップジュニア予選会


Space Education Project

本校の中学1年生が今日から、国際宇宙ステーションで長期間保管されたのち、日本に持ち帰られた「宇宙種」の栽培実験をはじめました。

理系強化に取り組む本校では、子どもたちに宇宙への夢と関心を向けるきっかけになればと、最先端科学教育プログラムを提供している株式会社リバネスの宇宙教育プロジェクトに参加。総合学習の時間を使って宇宙種と地球上の種を同じ環境で栽培し、発芽から生育、収穫までの違いを詳しく観察します。

栽培は、野山でよく見られる豆科植物のミヤコグサで行われ、実験に使う宇宙種子は2008年7月、スペースシャトルで国際宇宙ステーションに運ばれ、日本の宇宙実験棟「きぼう」内で8カ月間保存されたあと、翌年8月に日本に帰ってきたもので、地上の1000倍もの宇宙放射線を浴び、生物の設計図であるDNAに何らかの変化が起きている可能性があります。

この日は実験初日ということで、会社から生命化学の博士2名が来校。まずは実験の目的や内容、取り組み方などの説明がありました。

実験についての説明

山崎直子さんからのビデオメッセージに、実験への期待感が高まります。

山崎直子さんからのメッセージ

宇宙種子とプロジェクト任命書の授与を受けて、いよいよ実験のスタートです。

プロジェクト参加任命書の授与

宇宙種と地球種に、見た目の違いがあるのかどうか・・・。見つめる生徒の目は真剣です。

宇宙種と地球種とを見比べる生徒

種子をまく前に、発芽を促すために前処理をします。種子の表面をサンドペーパーで擦り、表面に傷をつけ、水とともにマイクロチューブに入れ、1時間ほど吸水させます。

種子の前処理

その間を利用して、DNAの働きについて説明があり、実際にブロッコリーからDNAを取り出す実験も行いました。

ブロッコリーからのDNA抽出実験

こんなに簡単にDNAが見られるなんてビックリ! 生徒たちの活き活きした反応に時間の経つのを忘れてしまいます。

時間の経つのを忘れて実験に夢中

実際に取り出されたブロッコリーのDNAが、これ!(浮いている、白っぽいかたまり)

ブロッコリーのDNA

さらに、放射線のDNAへの影響を確認するために、霧箱の実験もあわせて行いました。ちょっぴり神秘的な雰囲気に、興味津々です。

霧箱の実験

この間、ずっと休憩なし。まるで大学の研究室で実験をしているような感じで、時間が流れていきます。

さて、最後にいよいよ前処理をした種子を播きます。一人ずつ、ピンセットで種子をつかみ、連結ポットに播いていきます。宇宙種と地球種を間違えないように、やさしく、丁寧に・・・。

ポットに種子を播く

全員が播き終わったら、気温と照明が一定に保たれた人工気象器の中にポットを入れ、栽培実験がスタートしました。

人工気象器に入れられたポット

このあと、2日に一回、定量の水やりを続けると発芽が始まり、56日目あたりになると花が咲き終えます。さやができはじめた日から水やりを止め、種子が採れるまで栽培を続けます。

この間およそ91日。途中、一週間ごとに葉の数、茎の長さ、開花日、さやの数などを観察記録にまとめ、宇宙種と地球種に違いがあるかを調べます。

生徒たちは、ふだんの授業では経験できない実験に関心を寄せ、どんな結果が出るのか興味深そうに実験に取り組んでいました。

全国28カ所で行われた2009年度の実験では、宇宙種に生育不良を起こすものが多くあったといいます。今回の実験結果は会社に報告され、全国で取り組まれている同様の実験データとの照合が行われます。


先生も子どもも楽しく学べる小学校理科

滋賀学園中学・高等学校 公開講座

子どもたちの理科離れが進み、PISAの国際学力テストでも「考える力」の欠如が指摘されています。技術立国であった日本の将来を危ぶむ声も聞かれる中、初等教育における理科教育の重要性がクローズアップされはじめました。

開校以来、地元の方々に支えられてきた本校ですが、ここ数年、地域と交わり、地域へ貢献できる活動を積極的に進めています。その一貫として、先日、小学校の先生方を対象に公開講座を実施しました。

講師は、本校の中学部で理科を担当している特任講師(京都教育大学・同大学院 非常勤講師)の松林 昭 先生で、私もお世話係として参加しました。

参加者がそれぞれ自己紹介した後で、まずは松林先生のこれまでの経験をもとにした「理科教育と環境教育」「教材開発と実践事例」の大きく二つについて、PowerPointを使った講義がありました。

特に、スウェーデンの中学校のブルンネル教諭が提唱している「ボトル生態系モデル教材」(Brunner 1996)を応用した実験事例には参加者全員が大いに興味を示し、休憩時間も議論が続きました。

後半は、いよいよ松林先生の独壇場。身の回りのものを使った実験体験です。まずは「不思議なふりこ」。

ふりこを作ろう

細い竹に、長さの違うたこ糸を結びつけ、先に5円玉をつるした「ふりこ」をつくります。それを手に持ち「念力?」で揺らします。

ここで大切なポイントは、全部を一度に揺らすのではなく、これだと決めた一つだけを揺らすこと。揺れ始めたら、それを円を描くように回転させていきます。

最初は、なかなかうまくいかず、力の加減がわからないようですが、少し慣れてくるとたいていできるようになります。手に加えた力と「波長の合う」ものだけが揺れていく感じがつかめたらOKです。

さあ、ふりこを揺らしてみるよ

大人たちが夢中になっている様子は、傍で見ていてもなかなか面白いもの。「隠し芸で使えるなぁ〜」「これを導入にやったら、授業に集中するかも・・・」と、自分が没頭しただけに、真実味のある言葉が次々と出てきます。

続いては、静電気の実験。風船を膨らませ、ティッシュなどでこすって、静電気を発生させます。その風船をアルミ缶に近づけると・・・。あらら不思議、アルミ缶が転がっていきます。まるで磁石を近づけたかのような動きです。

これで終わったらフツーです。松林流はひと味違い、向かい合った2人が1個の空き缶を使って「対戦」するのです。どちらの静電気がパワーを持っているか、いざ勝負!

風船静電気の空き缶相撲

またまた、ハマってしまいました。見てください、この笑顔! こんなに単純なことで大喜びできるわけですから、理科実験の凄さがわかります。やっぱり科学は楽しいのです。

他にも、空気砲や水を使った実験などもあり、予定していた時間を30分以上もオーバー。参加者のもう少しやって?という表情を受けて、最後に登場したのが磁石を使った、これぞ「可視化」という実験です。

まず、空のCDケースを用意し、中のマウントを取り外します。その中に棒磁石を入れ、閉じて机に置き、その上から同じ大きさに切ったOHPシートをかぶせます。

磁石を使った「可視化」実験(手順1)

次に、鉄粉を少しずつふりかけていきます。

磁石を使った「可視化」実験(手順2)

当然、磁力の影響を受け、鉄粉が一定の流れ(磁力線)に沿って線を描くように並んでいくのがわかります。(軽く叩いてやると、よりハッキリします。くれぐれも強く叩かないように)

磁石を使った「可視化」実験(手順3)

で、ここまでならよくある実験というか、結果を確認したよね〜ということで終わるんですが、ここからが「可視化」のメインです。

CDケースと同じ大きさに切った白い紙とスプレーのりを用意し、紙の片面にスプレー乗りを吹き付けます。(のりが飛び散らないように箱の中で行いましょう)

磁石を使った「可視化」実験(手順4)

もうおわかりでしょう。そうです、この紙をシートにできた鉄粉の模様の上にかぶせ、写し取るわけです。ずらさないように注意しながら、そっと紙をのせます。

磁石を使った「可視化」実験(手順5)

のせたら上から全体を軽くおさえ、裏返すと・・・

ジャーン! こんなふうにキレイに磁力線が描かれたものが完成します。のりが乾くまでしばらく待てば、あとはいつでも結果が確認できるってわけ。

磁石を使った「可視化」実験(手順6)

こんなふうに、もうひと手間の工夫を加えることで、同じ実験でも、結果の扱いや法則の再現性、その後の理解などが大きく変わってきます。

見える形に残すことで、実験の時の楽しさや感動を再びよみがえらせる・・・。とても大切なことだと思います。

以上、公開講座のエッセンスを簡単にお伝えしましたが、2学期以降、またどこかでこんな理科実験講座を、対象も一般の方(親子)とかに広げてやっていこうと思います。


吸い込まれそうな夏空

学校の中で好きな風景の一つ・・・

正面玄関となる1号棟と、ふだんボクがいる入試広報室のある4号棟の間をグラウンド側から見上げると、校舎をはさむようにして、真ん中に空が高く抜けています。

夏空

毎朝、出勤してきた時に一番に眺め、1号棟にある職員室や事務室などから自分の部屋に戻る時など、何回となく見上げる光景です。

この時期いつも、抜けるような夏の青空に出会います。

何だか元気をもらえるようで、「よし、がんばろう!」って気持ちになります。


中学2年生、ニュージーランド短期研修に出発!!

梅雨とは思えない、眩しい太陽が照りつける今日、6月30日。いよいよ、中学2年生がニュージーランド短期研修に出発する日です。毎年のことながら、生徒たちの顔を見ると心が躍ります。

NZ短期研修出発式

午後1時15分から始まった出発式では、まず中学3年生から、旅立つ2年生ひとり一人に手紙が渡されました。昨年の自分を思い出し、後輩に向けて心のこもったメッセージが綴られています。

中3から手紙が渡される

続いて、寄せ書き色紙のプレゼント。現地に持参し、みんなが見えるところに掲示して、頑張ることを誓います。

寄せ書き色紙の贈呈

旅立つ2年生を代表して、中村優仁くんが決意を述べました。

中2代表による挨拶

次いで、引率教員を代表して脇阪智也先生が、元気よく「いってきます」の挨拶。

脇阪智也先生の言葉

最後に、今回の研修団の団長を務める江川教頭先生から、「有意義な研修にします」といの誓いとお礼の言葉が述べられ、出発式を終わりました。

江川教頭によるお礼の言葉

さて、いよいよバスに乗り込みます。見送る保護者の寂しげな表情とは裏腹に、生徒たちは期待いっぱい、元気な表情を全身から感じさせてくれます。

バスに乗り込む生徒たち

保護者も笑顔で応えるものの、どこか心配そう・・・

見送る保護者

見送りが終わったところで、バスは学校を後に、一路関西国際空港へ向かいます。並んで見送る中1・中3生に、バスの中から大きく手を振って応えます。校舎の3階からも、高校生が見送ってくれています。

学校を出るバス

次に会えるのは2ヶ月後、8月27日が帰国予定日です。いろんなことをいっぱい経験して、大きく逞しくなって帰ってきてくださいねっ!

次に会えるのは2ヶ月後


たくさんの「思い」が雨雲を追いやった・・・

黙々と作業する生徒たちの姿に、「ありがとねっ」て声をかけずにはいられない・・・。

前日からの雨が夜の間に止んで、朝早くからグラウンドの水取りが始まっていました。今日は待ちに待ったビッグイベント、体育祭。予定より1時間ちょっと遅れて始まり、いくつかの競技をやむなくカット。それでも、年々増える保護者や地域の方々の熱い声援に見守られながら、まさに「いっしょうけんめい」という言葉がぴったりくるような生徒たちの姿に、思わず目が潤みました。

3年生の各クラスがリーダーになり、中学1年生までを縦割り編成にした6団対抗の競技。圧巻はもちろん、オリジナルパフォーマンスに決まりです。これだけは、縦割り団から中学生が離れ、一つになって高校6団と対等に競い合います。

今年はどこが優勝するのか・・・。審査する我々も、真剣です。

結果、高校の各団をおさえて優勝したのは、なんと「中学団」!僅差で栄光を手にしました。競技の部で総合優勝に輝いたのは3年1組率いる「1団(紫団)」。最後の競技、団対抗レースが勝負を決めたようです。

企画、準備の段階から生徒会はじめ、全生徒がそれぞれの立場で関わり、盛り上げた体育祭。教科の学習とはまた違った学びが、仲間との協力、パフォーマンスを作り上げる苦労、やりきった喜びなどの中に、きらめきのごとくたくさんあったに違いありません。

後ろ姿にも表情が出てる・・・

*午後一番のオリジナルパフォーマンスを審査した後すぐ、市内中学の親子進路学習会に出かけた関係で、各競技の写真が掲載できていません。後日改めてアップします。


今日は香港から・・・中学1年「総合的な学習」

4月に、中学1年生「総合的な学習」のGuest Teacher として、フランス出身の Guyader Pascal(ギャデル・パスカル)氏をお招きしたのに続いて、今日はその第2弾として、香港から鄧正鴻さん、陳振邦さん、王智永さんの3人の大学生(香港城市大学)をお迎えしました。

今日のGuestTeacherは香港の大学生3名

まずは、3人がそれぞれ日本語で自己紹介をした後、香港の地理や歴史、文化などについて説明をしてくれました。トップバッターは、鄧正鴻(ダンジンホン)さん。流ちょうな日本語で、全く違和感がありません。日本のアニメが好きだとかで、よく見ていたそうです。

鄧正鴻(ダンジンホン)さん

続いて、陳振邦(チンシンポウ)さん。どこかコブクロの小渕くんに似ていて、事前に用意してきた資料を示しながら、一生懸命に説明してくれる姿が印象的でした。

陳 振邦(チンシンポウ)さん

途中、香港の地理の話になったとき、うまく子どもたちにわかるような日本語が出てこなくて、英語で本校ALTのベリンダ先生に伝え、それを易しい日本語に訳してもらう一場面もありました。

説明を補足するALT(ベリンダ先生)

ほんとうに熱く語る学生さんたち。必死で日本語を話す姿に、子どもたちも理解しようと真剣でした。香港の夜景のスライドには、全員が「わぁ~、きれい!」の大歓声。

プロジェクターで写真を紹介しながらの説明

3人目に説明に立ったのは、王智永(ワオチーウィン)さん。香港の歴史とsoul foodについて、スライドを駆使しながら、時に笑いをとることも忘れない、キャラクターそのままの楽しいお話でした。

王 智永(ワオチーウィン)さん

一通り説明が終わったところで質問コーナー。誰が最初に質問をするか、お互いに顔を見合わせながら恥ずかしがる姿はなんとも愛らしい。中学1年生らしい素直さがよく出ていました。それにしても、みんな打ち解けた、いい雰囲気です。

子どもたちも楽しそうに学ぶ

最初に窪田さんが質問に立ち、2番目に渡辺くんが質問しました。最初に名前を言うことになっているのですが、大きな声でしっかり言えていて、なかなかいい感じです。

質問する渡辺くん

その後、何人かの質問が続きました。政治や震災のことなど、かなり難しい質問が出ましたが、率直な感想を含めて、子どもたちにわかりやすく説明しようと必死になってくれていた学生さんたち。

質問の最後は、少し恥ずかしがりながらも、椅子から立ち上がった後は堂々と聞いていた、竹本くん。真剣なまなざしが、話の深まりを感じさせてくれました。

質問する竹本くん

それにしても、3人とも日本語の上手なこと。いくら日本語を専攻しているとはいえ、大学でしっかり勉強したのは2年ほどで、それも週2時間程度だったとか。いかに前向きに、自分で努力して日本語を習得したかがわかります。

子どもたちもそんな3人の姿に大いに刺激を受けたようで、「自分たちも頑張らなければ・・・」と思ってくれたと思います。国際理解の足がかりになった、充実した時間でした。

授業が終わり、放課後、廊下に出て中2・中3の生徒たちと談笑する姿がありました。すぐに友達になれるところは、学生さんも中学生も変わりません。みんな超フレンドリー!楽しそうな笑い声が響いていました。

放課後の廊下でパチリ!

中学1年生で、毎月こんな時間が持てるなんて羨ましい限りです。すぐにその良さ、学んだ感動を言葉にできなくても、子どもたちのココロには今日学んだ多くのことが大きな渦となって、いつまでも鮮明に残っていくことは間違いありません。


2011年 親子理科実験教室(春~夏コース)第1回

台風の影響もあって、時折激しい雨が降るあいにくの天候に見舞われた日曜日でしたが、NPO法人あいんしゅたいん・NPO法人サイエンスEネット・京都大学理学部が主催する「親子理科実験教室(春~夏コース)」の第一回目が、午前10時から京都大学理学部セミナーハウスで行われました。

本校の理科特任講師・松林昭先生が指導されるということで、私も同行。主催者の皆さんと意見交換をさせていただきながら、特に「理科」について、いかに子どもたちの学びを育てていくか、そのために指導者に必要なことは何かについて学びを深めました。

入口の案内板

実験教室のはじめにあたり、主催者を代表して挨拶に立った坂東昌子先生(NPO法人あいんしゅたいん理事長)からは、実際に自分の手でいろいろ試してみて、そこで感じた「どうしてかなぁ~」という気持ちを大事にしながら、科学するココロを育てていってほしいとのお話がありました。

挨拶する坂東先生

引き続いて実験教室が始まり、今日の指導者である松林先生が、お得意のパフォーマンスで子どもたちを笑わせながら、「先生の話を聞くときには、きちんとこちらを向いて聞く」といった、実験教室の基本姿勢=学びの基本を、まず最初にしっかりたたき込みます。

大きな動作で子どもたちを集中させる松林先生

今日の実験テーマは「豆電球に明かりをつけよう」。

京都大学理学部の学生さんと、立命館大学の小学校教員志望の学生さんが1名ずつ、各テーブルにTAとしてつき、子どもたちひとり一人に豆電球や乾電池、わに口クリップなど必要な材料が配られ、いよいよ実験の始まりです。

「豆電球はつくかな?」TAの指導で実験する子どもたち

まずは、電池にどのようなつなぎ方をすれば豆電球がつくかを各自で調べます。そして、明かりがついたときのつなぎ方、つかなかったときのつなぎ方を絵に描きます。

テスターづくり

続いて、厚紙に乾電池ケースを貼り付け、わに口クリップと豆電球をつないで、簡易テスターをつくります。

わからないことはTAのお兄さんやお姉さんに聞いたり、松林先生からアドバイスをもらったりしながら、子どもたちは思い思いのペースで作業を進めていきます。旺盛な好奇心、自分の手でやってみようというチャレンジ精神は、傍で見ていて嬉しくなります。でも、どこか心配なのか、これでいいのか先生に確かめようとする仕草も見えたりして、そこがまたすごく可愛く、子どもたちの素直な反応にココロが熱くなります。

「うまくできたかなぁ~」子どもたちの質問に答える松林先生

テスターが完成したら、いよいよ実験です。電気を通すもの・通さないものをテスターを使って調べていきます。1年玉、5円玉、10円玉、100円玉、1000円札、アルミホイル、サランラップ、鉛筆の芯、銀紙、金紙・・・。一つずつ、まずは予想し、その理由を書いた後で、実際にテスターを使って確かめていきます。

木の温もりが探求心をかき立てるセミナーハウス

セミナーハウスの木の温もりが子どもたちの自由な思考と探求心をかき立て、TAの学生さんも童心に返ったかのように、一緒になって実験を進めます。「なぜ?」「どうして?」その理由を考えることは、本来楽しいもの・・・。それを身をもって体験する子どもたちの表情は、ますます真剣になっていきます。

全員で実験結果の発表会

ひととおり調べられたところで、松林先生と一緒に実験結果を確認していきます。「なぜ電気を通したのか」・・・金属でできているから? どんな金属なの?・・・子どもたちに意見発表をさせつつ、をそれぞれの硬貨の材料となっている金属の説明も付け加えながら、謎を解き明かしていきます。

元気よく質問に答える子どもたち

小学校1年生から6年生まで、総勢42名の子どもたち。どちらかと言えば低学年が多かったようですが、その博識ぶりや堂々とマイクを使って意見を述べる前向きさには、こちらが驚かされました。

やはりこどもたちの感性はすごい!これを育てなくてどうする・・・。大人として、教師として、理科の指導者として、何が大切かを改めて感じさせてくれた実験教室でした。