平成26年度入学式

優しく包まれるような春の陽射しと満開の桜に彩られる中、午後1時から、中学・高等学校の入学式を行いました。

ご臨席いただきましたご来賓の皆さま、本日はどうもありがとうございました。また、お子様の眩しい姿に、今日までの日々を思い返しておられたであろう保護者の皆さま、ご入学おめでとうございます。お預かりしたお一人お一人を大事にし、その成長をあたたかく見守りながら、滋賀学園で学んでよかったと言ってもらえるよう育ててまいります。今後とも、ご支援ご協力を、どうぞよろしくお願いいたします。

以下、当日の式辞を載せておきます。

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平成二十六年度 入学式 式辞

満開の桜が華やかに祝うこの佳き日に、多数の御来賓の皆様をお迎えし、保護者の方々と共に、平成二十六年度滋賀学園中学・高等学校入学式が挙行できますことは、この上ない喜びでございます。

小椋 正清 東近江市長様はじめ、ご来賓の皆様には、公私共にご多用の中、ご臨席を賜り、誠にありがとうございます。心から御礼申し上げます。

また、保護者の皆様には、今日のお子様の晴れやかな姿を目の当たりにされ、お慶びもひとしおかと存じます。心からお祝い申し上げます。おめでとうございます。

ただ今、入学が許可されました中学校29名、高等学校215名の新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。教職員一同、在校生とともに、心から皆さんを歓迎いたします。

滋賀学園中学校へ入学される皆さんは、入学試験という関門を突破して、今日を迎えられました。公立での中学校教育は、義務教育の最終段階として位置付けられていますが、本校では、私学としての特色を活かし、海外研修を含めた多彩な教育活動をとおして、社会の発展に役立つ人材へと成長していく基礎作りを行っていきます。

滋賀学園高等学校へ入学する皆さんは、九年間の義務教育を終え、進路として、いくつかある選択肢の中から本校を選び、受験、そして合格し、本日の入学式を迎えられました。三年後、皆さんの選択が正しかったことが証明されるよう指導していきます。

なお、高等学校の入学生の中には、滋賀学園中学校第九期生の諸君も含まれています。本学園で学ぶ先輩としての自覚のもと、他の中学校からの入学生や滋賀学園中学校の後輩をサポートしてもらいたいと思います。

さて、皆さんが、今日から通う滋賀学園は、八十一年前に「私塾」として産声を上げました。以来、多くの方々に支えられ、現在は大学、短期大学、高等学校、中学校、こども園を併せ持つ総合学園となりました。この間、創設者の「教育は私学から」というメッセージは脈々と受け継がれ、本校教育の原点となっています。

皆さんが活躍するこれからの時代は、グローバル化が加速し、変動の激しい時代と言われています。主体的に学ぶ姿勢はもちろん、異なる文化を理解し、受け入れる心や、語学力、変化に適応する、創造的で柔軟な思考力を持たなければなりません。また、IT環境の飛躍的な発展により、必要とされる人材、活躍できる人材の条件が大きく変わってきました。

これらのことをしっかりと見据え、時代のニーズを先取りする大胆な学びを展開できるのが、私学の良さであり、私たちの得意とするところです。

滋賀学園では、
・自分で物事を考える力
・何が問題であるかを認識し、解決する力
・自分の考えを伝える力
を育んでいくことを教育の根幹に置き、さまざまな活動を通して、皆さんを徹底的に育てていきます。

皆さんにとって今日の入学式は、人生の重要な節目の一つです。だからこそ、まずは「中学校ではこうしたい」「高校ではこれを頑張りたい」という目標を、しっかり持ってほしいと思います。

そしてもう一つ、今日ここで、皆さんに誓ってほしいことがあります。それは、「自分に限界をつくらない」「あきらめない」ということです

アルゼンチンの精神科医、ホルヘ・ブカイの「鎖につながれた象」の話を聞いたことがあるでしょうか。サーカスにいる象の話です。

象は、小さな杭に鎖でつながれています。鎖は頑丈そうですが、杭は、大きな象なら簡単に引き抜いてしまえそうなものです。しかし、決して、象はそこから逃げようとしません。

どうしてでしょうか?
答は、簡単です。逃げられないと思いこんでいるから、ただそれだけです。

象は子どものころから、鎖で杭につながれて毎日を過ごしています。まだ小さいので、たいした力もなく、杭を引き抜くことができません。何度も何度も、力いっぱい杭を抜こうとしますが、できません。そのうちに、象はその杭を抜くことは絶対にできないとあきらめてしまいます。そして、二度と杭を抜いて逃げようとは思わなくなってしまいます。

簡単に抜ける杭なのに、抜こうともしない。象は、大きくなってからも、小さな頃からの記憶にとらわれ続け、おとなしく、そこにつながれたままでいるのです。

同じようなことが、私たちに人間にもあてはまります。皆さんには、「自分には力がない」「できない」「無理だ」などと勝手に思い込み、自分で限界をつくり、そこであきらめてしまっていることはないでしょうか。

小さな象が成長して大きくなり、力が強くなっていくように、皆さん一人ひとりも、日々成長し、昨日できなかったことが、今日はできるようになっているはずです。だから、それを見つけ出し、伸ばすことが大切なのです。

さあ、今日ここで、「自分には、これくらいの力しかない」という思い込みから、自分を解き放ちましょう。
皆さんは素晴らしい可能性を秘めています。
皆さんはすばらしい力を持っています。

私は、そう信じています。

滋賀学園の創始者、森 はな 前理事長は、「教育とは、教えつつ学び、学びつつ教えるものである」と言い続けてこられました。「自分の経験したことのない教材を、生徒が教えてほしいと言ってきたら、その日の夜から私自身も勉強を始めます」と、共に学びながら、一緒になって粘り強く指導にあたってこられました。この基本姿勢は、「可能性を信じ、ともに希望を語り、人を育てる」という、教育本来の果たすべき役割そのものです。

私たち教職員は、この姿勢を受け継ぎ、より高みをめざして学び続ける皆さんを支え、励まし、育てていきます。

アンジェラ・アキさんの「手紙」という歌の中に「人生のすべてに意味があるから 恐れずにあなたの夢を育てて」という一節があります。
キープ・オン・ビリービング

どうぞ、「未来の自分」を思い描き、今日、その一歩を踏み出してください。

皆さんが高いこころざしを持ち、自己の可能性に挑戦し、多くの仲間と共に、中学・高等学校の六年間、あるいは三年間を力強く歩まれることを心から期待し、中学・高等学校の校長を代表して、式辞といたします。

一緒に頑張りましょう。

平成二十六年四月七日

滋賀学園高等学校
校長 安居長敏


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