2011年 親子理科実験教室(春~夏コース)第1回

台風の影響もあって、時折激しい雨が降るあいにくの天候に見舞われた日曜日でしたが、NPO法人あいんしゅたいん・NPO法人サイエンスEネット・京都大学理学部が主催する「親子理科実験教室(春~夏コース)」の第一回目が、午前10時から京都大学理学部セミナーハウスで行われました。

本校の理科特任講師・松林昭先生が指導されるということで、私も同行。主催者の皆さんと意見交換をさせていただきながら、特に「理科」について、いかに子どもたちの学びを育てていくか、そのために指導者に必要なことは何かについて学びを深めました。

入口の案内板

実験教室のはじめにあたり、主催者を代表して挨拶に立った坂東昌子先生(NPO法人あいんしゅたいん理事長)からは、実際に自分の手でいろいろ試してみて、そこで感じた「どうしてかなぁ~」という気持ちを大事にしながら、科学するココロを育てていってほしいとのお話がありました。

挨拶する坂東先生

引き続いて実験教室が始まり、今日の指導者である松林先生が、お得意のパフォーマンスで子どもたちを笑わせながら、「先生の話を聞くときには、きちんとこちらを向いて聞く」といった、実験教室の基本姿勢=学びの基本を、まず最初にしっかりたたき込みます。

大きな動作で子どもたちを集中させる松林先生

今日の実験テーマは「豆電球に明かりをつけよう」。

京都大学理学部の学生さんと、立命館大学の小学校教員志望の学生さんが1名ずつ、各テーブルにTAとしてつき、子どもたちひとり一人に豆電球や乾電池、わに口クリップなど必要な材料が配られ、いよいよ実験の始まりです。

「豆電球はつくかな?」TAの指導で実験する子どもたち

まずは、電池にどのようなつなぎ方をすれば豆電球がつくかを各自で調べます。そして、明かりがついたときのつなぎ方、つかなかったときのつなぎ方を絵に描きます。

テスターづくり

続いて、厚紙に乾電池ケースを貼り付け、わに口クリップと豆電球をつないで、簡易テスターをつくります。

わからないことはTAのお兄さんやお姉さんに聞いたり、松林先生からアドバイスをもらったりしながら、子どもたちは思い思いのペースで作業を進めていきます。旺盛な好奇心、自分の手でやってみようというチャレンジ精神は、傍で見ていて嬉しくなります。でも、どこか心配なのか、これでいいのか先生に確かめようとする仕草も見えたりして、そこがまたすごく可愛く、子どもたちの素直な反応にココロが熱くなります。

「うまくできたかなぁ~」子どもたちの質問に答える松林先生

テスターが完成したら、いよいよ実験です。電気を通すもの・通さないものをテスターを使って調べていきます。1年玉、5円玉、10円玉、100円玉、1000円札、アルミホイル、サランラップ、鉛筆の芯、銀紙、金紙・・・。一つずつ、まずは予想し、その理由を書いた後で、実際にテスターを使って確かめていきます。

木の温もりが探求心をかき立てるセミナーハウス

セミナーハウスの木の温もりが子どもたちの自由な思考と探求心をかき立て、TAの学生さんも童心に返ったかのように、一緒になって実験を進めます。「なぜ?」「どうして?」その理由を考えることは、本来楽しいもの・・・。それを身をもって体験する子どもたちの表情は、ますます真剣になっていきます。

全員で実験結果の発表会

ひととおり調べられたところで、松林先生と一緒に実験結果を確認していきます。「なぜ電気を通したのか」・・・金属でできているから? どんな金属なの?・・・子どもたちに意見発表をさせつつ、をそれぞれの硬貨の材料となっている金属の説明も付け加えながら、謎を解き明かしていきます。

元気よく質問に答える子どもたち

小学校1年生から6年生まで、総勢42名の子どもたち。どちらかと言えば低学年が多かったようですが、その博識ぶりや堂々とマイクを使って意見を述べる前向きさには、こちらが驚かされました。

やはりこどもたちの感性はすごい!これを育てなくてどうする・・・。大人として、教師として、理科の指導者として、何が大切かを改めて感じさせてくれた実験教室でした。


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