中2夏の2ヶ月NZ研修、中3の1月からは1年留学

春休みとはいえ、中学校の職員室は全員が出勤中。忙しく仕事に追われるなかにも、新年度を迎えるワクワク感みたいなものが漂い、なかなかいい感じ!

夕方、みんなが帰った後、夜7時半からの父母教三役会までの間、昼間とは一転、静まりかえった職員室で中学校のことをいろいろ考えた。設立の経緯、開校当時にめざしたもの、その後の変遷、今春二期生が卒業するまでの歩み、現状、そして・・・これから。

三役会が終わって、会長さんと「中高一貫教育」について話した。会議の場所が中学校だったこともあって、お二人のお嬢さんを入学させた当時のことに始まり、その後の成長ぶり、特に「英語力」についての爆発的な伸びは、身近で見ている親としてもただただ驚いていると。

確かに、中2の夏に行われるニュージーランドへの2ヶ月の短期研修、中3の1月からカナダもしくはニュージーランドへの1年留学が組み込まれた6カ年の中高一貫教育で育まれる、関わり合いの中から生まれる「自立」と高い「コミュニケーション能力」。ごく普通に英語での会話ができる「語学力」は、他の学校に類を見ない大きな特徴であり、滋賀学園中学・高等学校の大きな成果だ。

その第一線で、まさにみんなを牽引する立場にあった上のお嬢さん(二期生)と、私も!と引き続いて本校の門をくぐった、この4月から高3になる二人目のお嬢さん(三期生)の変貌ぶりを実感として味わっておられる会長さんだからこそ言える、実体験の魅力・・・。

夕方、自分も同じようなことを思い巡らせていたこともあって、深く考えさせられた。

ここに、平成15年1月2日の滋賀報知新聞に掲載された記事がある。

六年間の中高一貫教育で高校入試の重圧から開放し、留学を中心とした教育で真の国際人を育てる私立中学校「滋賀学園中学校」が八日市市(注:当時)に誕生する。

学校法人滋賀学園(森美和子理事長)が、現在の高校(同市建部北町)に併設型の新しい中学校を開設しようと準備を進め、昨年十一月に正式認可を受けた。正月明け早々から入学願書を受け付け、二月に完成する校舎は四月開校の第一期生を待ち受ける。

中高一貫教育は、高等学校に中学校を併設し、六年間の計画的・継続的な学習を通して、学力や生きる力、個性や創造性を伸ばすことを目的に開校される。県内でも県立三高校(河瀬・守山・水口東)が近くの公立中学校の協力を得て、今春開校へ準備を進めている。

この中で、滋賀学園高校と中学校の一貫教育の特徴に、国際化時代に対応するため「英会話を重視した語学力、一年間の留学を中心としたカリキュラム」と、清田校長は即座に答える。さらに留学は「外国の文化に触れ、人格の形成に大きな影響を与える」と指摘し、留学体験こそ「自分の人生を築いてくれる」との教育方針を語る。

一学年は一クラス三十五人の二クラス(定員七十人)でスタートさせ、中学・高校の授業をクリアしながら、六年間を三期に分け段階的に英会話とともに国際感覚を身に付ける。
英語の授業内容は、中学の段階で英語検定三級を取得し、三か月間の海外研修を終え、同検定準二級の合格を目指す。高校に進むと一年次で一年間の留学を経験し、全員が英語検定二級に挑戦するステップ・アップ方式を採用している。また、大学受験へは、土曜日を有効活用した受験指導を行う。

留学先は、姉妹校提携を結ぶカナダとニュージーランドの十四校(各国七校)で、英語圏の先進国の中でも治安が良く、自然環境に恵まれている。学校の授業ほか、現地の家庭にホームステイしながらの生活は、英会話を身に付けさせてくれるだけでなく、異文化を理解し日本や自分を考える力を与えてくれる。

入学金十万円、学費は年額で四十四万六千円(授業料二十九万六千円、教育充実費十五万円)が必要だが、森美和子学園理事長は「六年間の計画的な学習を通して、留学中のホームステイ先で日本文化を理解してもらえる英語基礎づくりに重点を置き、全室冷暖房完備の快適な学舎で充実した学園生活を送ってほしい」と、英語教育に自信をのぞかせる。(一部抜粋)

滋賀学園の中高一貫教育のベースになっているもの、それはゆっくりときめ細かく指導する「学習システム」と「基礎力の構築」だ。開校当時、「学習システム」においては、英数国はティーム・ティーチング制を導入。35名定員だから、十数人の生徒に1人の教師がつくことになり、手厚い指導が可能になる。担任も2名配置。生徒によって、合う・合わないもあり、より目が行き届くようにと考えてのことで、男女の教師を配置し、相談もしやすいよう配慮。

「基礎力の構築」においては、毎日の朝読書、100マス計算、群読などを行い、表現力や自分の考えをまとめる力を育てるため、行事などの後は、必ず感想を書かせる。さらに発表や討論の機会を多く設け、国際社会で活躍できるような人間力が育つよう導いていく。

一方、行事のためにクラスでかを決めなければならないとき、あるいは、生徒同志で問題がおこったときなど、何度も話し合い、人に流されることなく自分の意見を言えるように指導を行なう。こうして人と密に関わり、話し合い、もまれることで、人として大切なことを学んでいく・・・。

さまざまな事情があり、本来の中高一貫教育の「根っこ」は残しながらも、学校の体制や運用形態が少しずつ変化し、さらに進化していった部分もあれば、逆に失われていった部分もある。

今年度6月からスタートしたプロジェクトは、そのあたりの「原点」を今一度見直し、本来めざした滋賀学園の中高一貫教育を再構築するとともに、高校も含めた学校全体を「改革」していくためのものだ。

来年度、いよいよ正念場の年を迎え、プロジェクト組織もよりスピード感のある強固な体制に改め、不退転の決意でやっていくことにしている。形としてそれが示せなかったら、当然、その責任は負う。それがプロジェクトを進めていく立場にある者の覚悟だ。


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