学習意欲を高める、「英検」取り組みの効果

本校(特に中高一貫コース)の特色の一つに、他校に類をみない充実した「英語教育」がある。

中学2年生の夏、全員が約2ヶ月のニュージーランド短期研修を体験し、中学3年生の1月からは、正規の教育課程の中で1年間のカナダもしくはニュージーランドへの長期留学に行くことができ、高校2年生の修学旅行を含めると、卒業までに計3回もの海外経験を積むことができる。

一方、英検は基本的に年1回全員受検で、高校になるとTOEICの受検も奨励している。もちろん受けるからには「合格」しないと意味がないというので、独自の取り組みを行っている。

毎回20時間以上の授業を使って対策学習を行い、基本はグループ学習。グループは学力で平均化し、どこかのグループだけが優秀になるのではなく、均等に振り分けていく。ゼロの状態の模擬試験からスタートし、マラソンテストという独自の、反復ができる教材で学んでいくことになっている。

テストは、グループの全員が合格しなければ次に進めないシステムになっていて、合格できない生徒がいればグループ内で教え合い、生徒同士で工夫するようになり、まさに「集団指導」の相乗効果となって表れてくる。

また、英語科以外の先生も、体育祭や文化祭と同様の「学校イベント」であるととらえ、生徒同士がお互い支え合って伸び合うことが大事だと理解を示しているのも大きな特徴だろう。

☆詳しくは、現高校3年生の生徒インタビューも掲載された、日本英語検定協会のウェブサイト「THE EIKEN TIMES」の学校訪問で紹介されている記事をどうぞ!

そんなわけで、英検合格率は上級になればなるほど、他の中学・高校に比べて圧倒的に高く、本校の魅力の一つになっている。

ところが・・・

今日、何気なく京都新聞のWEBニュースを見ていたら、松原中学(滋賀県草津市)が、英検全校受検2年目の挑戦ということで、けっこう頑張っている様子が紹介されていた。

正直、公立中学でもここまで大胆なことをやっているんや~と、ビックリした。夏・冬休みの教材を業者購入から教師の手作りに変え、浮いた学校徴収金を検定料に充てているとか、隔週1回は始業前の20分間を使い、英語学習に励んでいる・・・など、なななか工夫が凝らされている。

かつて一緒に教員海外派遣に行った、現草津市教委(昨年まで松原中学校長)の利倉先生は、「勉強の達成感がないと子どもの学力は伸びない。学力向上の効果的な突破口が必要だった」と、全校受験を始めた狙いを記事のインタビューで話している。

まだ、合格級や人数とも本校の方が上位だが、知恵を出し合った取り組みの工夫や、英検を学力向上策の一つとして位置づけ、「目標から逃げない生徒を育てたい」(苗村校長)という全校あげての意欲には、大いに学ぶべきところがありはしないだろうか。

中高一貫教育の「良さ」をどんどん伸ばしていってこそ、滋賀学園だということを、今一度肝に銘じて子どもたちに向かいたいと思う。


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