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人間は「サル」や「イネ」とはちがう

『人間は「サル」や「イネ」とはちがう』

「あったりまえじゃーん」と言われそうですが、ここを分かっていない人がどれだけいることでしょう。

生物という括りでいえば、人間とイネはまったく変わりません。動物という括りでいえば、人間とサルはまったく変わりません。しかし、人間は「サル」や「イネ」とはちがいます。なにが決定的にちがうか、それは人間だけが本能を越える「精神」を持つということ。この「精神」の有無によって、人間と他の生物は大きく分けられるのです。

この違いがどれだけのものか考えてみましょう。人間は精神活動によって文化を築くことができました。それによって例えば1000年前の人間の生活と現在の生活は大きくちがいます。高品質の服を誰もが身につけ、携帯電話でコミュニケーションし、空には人工衛星が飛んでいる社会を1000年前に誰が想像したでしょう。一方、精神を持たないサルならどうでしょう?1000年前と現在とどれだけの違いがあるでしょうか?きっとほとんど変わりありません。ジャングルの中でエサを探し縄張り争いをする毎日です。

では人間は「サル」や「イネ」に比べて優れているのでしょうか?確かに文化によって生活を変えられることで得られたたくさんの優れた面はありますが、しかし、そのために失ったものもあるのです。それが「本能」です。本能を失ったことで、人間はある面では「サル」や「イネ」に比べて劣るのです。

例えば、人間は生まれてすぐにはぼんやりとしか目は見えません。立って歩くこともできません。おっぱいの位置も教えてあげなければ自力で見つけることはできません。母親の保護がなければそのまま死んでしまいます。しかし動物はどうでしょう?植物はどうでしょう?彼らは生まれ落ちた瞬間から自力で生きることができます。自分のエサは何か。すむべきところはどこかということが分かっています。サルはサルになるように、イネはイネになるようにきっちりプログラムされています。

人間はそのプログラムを自分の内にではなく、外にしか持たないのです。ですから、もし人間社会ではなくオオカミの社会で育てられればオオカミに育つのです。

精神があることによる変化の大きさ。なんにでもなることができるという可能性の大きさ。これが人間とその他の生物とは圧倒的にちがうところです。

しかし、そのことを認識せずに、人間をサル扱い植物扱いをする教員がいることが情けない。土を肥やし、水をやり、光を与えれば、すくすくと育ち、花をさかせ、実をつけると思っている。私たち教師はプログラム通り育つことが約束された苗を相手に農業をやっているのではありません。文化を享受することで、あらゆるものに変わっていける可能性を持った人間を相手に教育をやっているのです。

教育はいわば「種まき」です。人類の文化遺産をその子の「可能性」として与え続ける行為です。教育の中で圧倒的に重要な「種まき」から逃げ、他人のまいた種が伸びていくのをただ眺めていることを、「自主性が大事」とか「無理やり育てても良い実にはならない」とかなんとか言って自己弁護し、さもすばらしいことのように語ることが許せない。ちょっと外野から見過ぎなんじゃないの??

種をまかないで、何が育つというのだろう?

土を肥やし、水をやり、光を与えても、種がなければ、ただそこに土があるだけで終わってしまうことになぜ気付かないのだろう?

あぁっ、ハラ立つ!!

Comments:3

sako 09-10-20 (火) 13:12

 面白い!外から見て、できてないやんというだけの人って信用できない。生徒と毎日すったもんだしながら、傷ついたり喜んだりしている担任は最前線にいるのだから。学校全体でよくなるためにどうするのかって視点で考えないとダメじゃないかと思うのだが。

09-10-21 (水) 0:01

まだ生きてたんですねこのブログ。
久しぶりに見ましたよ~。

種はまず子供たちの中にあるんです。

私の勝手な意見ですが、畑もあるし、肥料もある。なんでもありますよ。

ただし、「光」がない。

比喩を多用されてますので、私も比喩で語りたいと思います。

s-nishi 09-10-21 (水) 0:06

>sakoさんへ
理解してくださる人がいることにすごく励まされました。子どもとの関わりで傷ついたり喜んだりしたことをもっと周りと共有していかないといけないんだなぁとも思いました。いろんな意味で深いコメントありがとうございます。

>苅さんへ
コメントありがとうございます。こんなところにまで足を運んでくださるなんてびっくりです。
「光」がない、分かる気がします。伸びていく方向を指ししめしてくれる、そして自分も前に進み続けている他者が、きっと必要なんだろうなぁと思います。

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