今日11時から、私立学校への支援拡充に向けて民主党参議院議員の林久美子さんの事務所(東近江市八日市緑町)を訪れ、いろいろとお話を聞いていただいた。終始和やかに、深く頷きながら、細かな部分にまできっちりと答えて下さる姿勢には、いつものことながら「市民目線」を感じ、とても好感が持てる。
野党時代、この法案を作った一人である林議員は、我々のお願いについては十分理解をして下さっている。しかし、税制など他の国の施策とも連動した問題もあり、今すぐすっきりとした形で決着できない事情をわかってほしい。私自身も諦めずにがんばるので、皆さん自身もタウン・ミーティング等で意見を言う場があったらどんどん発言して、その声を盛り上げてほしい・・・との、自分一人では解決できない苦しい事情も、同時に説明して下さった。

4月1日からスタートした高校授業料の実質無償化は、公立高の生徒から授業料を徴収せず、私立高には生徒の世帯年収に応じて「就学支援金」を支給する制度。就学支援金は生徒一人あたり年11万8800円(公立高の授業料と同等額)で、世帯年収が250万円未満は2倍の23万7600円、250万〜350万円未満は1.5倍に増額される。
しかし、この支援金だけで私立高の学費は賄えない。文部科学省の2008年度調査では、私立高の授業料平均額は年35万2577円。このほかに施設費18万7344円、入学料16万6688円が必要になる。公立高の施設費は5000円程度であることを考えると、今回の無償化によって公私の格差がますます増大し、私立離れの引き金になりかねないという指摘もある。
加えて、全国33道県では、国が就学支援金を支給するのを機に、これまであった低所得者世帯を対象にした高校授業料の減免制度等を縮小、減額するという。「県が独自にがんばらなくても、国が出してくれるから減らしていいんだ」という論法である。これでは本末転倒、何のための就学支援金かわからない。
残念ながら滋賀県はこのうちの一つで、2月議会に提出された新年度予算案では総額約5000万円、一人あたり約12万円削減しようとしている。一方、同額維持は1県、逆に予算を増やすのは、お隣の京都府や大阪府など11都府県となっている。
参考までに、国の制度に上積みをして支援拡大を図り、低所得世帯についてセットで全額免除に踏み切る大阪、京都の例を挙げておくと、大阪府は授業料や施設整備費などを合わせて「標準授業料」と呼び、年収350万円以下の世帯について年間55万円を上限に免除。京都府も授業料や施設整備費などを合わせた額を減免対象にし、生活保護世帯や家計急変世帯は全額免除、年収350万円未満の世帯は年間64万円を上限に補助。350万〜1200万円の世帯でも年5万円を支給するとしている。
近畿は一つというキャッチフレーズの下、行動を共にしている嘉田知事であるにもかかわらず、この違いはどういうことだ。教育者だった知事なら、もう少し考えてくれてもいいような気もするが、とにかく「お金がない」の一点張りで削減しか頭にないのは、「子ども・教育」行政をどう考えているのか、全くもって理解できない。
もともと公立色の強い滋賀県の教育行政にあって、なかなか私学への意識が一般市民レベルでも少ないことが背景にあるから、たぶんこのような横暴がまかり通るのだろう。選んで私立に行っているのだから、相応の負担は当然だという人もあるが、義務教育と違って高校は公立の入学枠が限られているわけで、全員が公立に行けるわけではない。公立の生徒だけ授業料負担がなくなり、私立に行かざるを得なかった生徒は負担がなくならないという構造は、どう考えてもおかしい。
もちろん財源は限られているわけだから、公私を問わず全員を無償化することには現状では無理があろう。しかし、せめて私立高校へ子どもを通わせている低所得者層への支援を手厚くし、一定の所得以上は奨学金で対応するなどの措置を講じてもらうことは可能なのではないかと思う。
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