この宇宙には四千億もの太陽が、星があると申します。それぞれの星が平均十個の惑星を引き連れているとすると、惑星の数は約四兆個。その四兆の惑星のなかに、この地球のように、ほどよい気温と豊かな水に恵まれた惑星はいくつあるでしょう。たぶんいくつもないでしょう。だから、この宇宙に地球のような水惑星があること自体が奇跡なのです。
・・・水惑星だからといって、かならず生命が発生するとは限りません。しかし、地球にあるとき小さな生命が誕生しました。これも奇跡です。その小さな生命が、数限りない試練を経て人間にまで至ったのも、奇跡の連続です。そして、その人間のなかにあなたがいるというのも奇跡です。
・・・こうして、何億何兆もの奇跡が積み重なった結果、あなたもわたしも、いま、ここにこうしているのです。わたしたちがいる、いま生きているというだけで、もうそれは奇跡の中の奇跡なのです。こうして話をしたり、だれかと恋だの喧嘩だのをすること、それもそのひとつひとつが奇跡なのです。人間は奇跡そのもの。人間の一挙手一投足も奇跡そのもの。だから、人間は生きなければなりません。
これは、井上ひさしさんの戯曲『きらめく星座-昭和オデオン堂物語-』の一節です。
僕は、つらくなったとき、何かを見失いそうになったとき、いつも思い返しては、何度も何度もこれを声に出して読んでいます。すると、どこからか元気が湧いてくるのです。
奇跡なんて起こらないって、もの知りげにいう人がいます。起こるも何も、いまここに自分がいること自体が奇跡であり、その存在が貴重であるが故に、ここにいる意味があり、その存在を得ているわけです。
これを「かけがえのない”生”」とよばずして、何というのでしょう・・・。
そんな奇跡をつないでいってくれる皆さんは、今日を区切りに、また新たなステージへと一歩、その歩みを進めていきます。過ぎ去った時間は、瞬く間に「過去」になります。過去は振り返るためにあるのではなく、未来を創るためにあるのです。
もう一度、この制服を着て、あの駅で待ち合わせをしたい。もう一度、みんなと同じスタートラインに立って走ってみたい。でも、私たちの前には、これからはもう、同じゴールは見えないんです。
会えなくなることが、卒業なんじゃない。どこまでも見えないゴールに向かって、一人一人が走り続けること。それが、私たちのGRADUATION・・・。
皆さんの前途に、限りない希望と幸せを願っています。
自分らしく、果敢に生きていって下さい。
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