先祖のご縁を感じつつ

お盆になるまでは「あれもしよう、これもしたい」と、久しぶりの休日にワクワクしていたのに、過ぎてしまえばアッと言う間。結局、お盆行事に振り回されてしまったような感じだった。

さほど信心深いわけでもないし、昔のように「お寺さん」に対して、物心両面で過分なご奉仕をするご時世でもない。にもかかわらず、やっていることはほとんど変わらないのはどうしてだろう。

自分だけのことではない・・・

お盆は先祖の霊にふれ、ご縁を感謝し、元気で暮らしていられる自分や家族をありがたく思うひととき。そういった意識が小さな頃から染み付いていて、「手を抜く=いい加減に済ませる」ことを心が許さないのかもしれない。

だから昔のまま、多少は時代に合わせて簡素化されているものの、お寺関係の行事は生まれてこのかた全く変わっていない。基本は50年前、いやもっと昔からずっと同じに違いない。

3日間、朝昼晩とお仏壇にお膳を供え、午後5時(最終日は4時)にお寺にお参りして、お線香を手向け、手を合わせる。朝早く、お寺さんが家の仏壇にお参りにくる。

お膳の料理も基本は決まっていて、かつては完全に精進料理。お盆期間にお肉を食べるなんてことはなかった。

すべてにしきたりというか、お作法があって、なんだか堅苦しくて、気を遣ってばかり。

でも、そんなことをやっているのも、我々の世代で終わりだろう。息子や娘たちは、全くそんなことなど気にせずに、お盆休暇を満喫している。もっとも、お盆に休みが取れると決まったわけでもなく、カレンダーどおり仕事に行かなくてはならない人もたくさんいる。

お盆で、お寺参りせなあかんねん・・・

そんな言葉で許されるような時代ではなくなった。当然だと思う反面、どこか寂しいような気持ちが心をよぎる。せめてお盆くらい、日常から離れたところで自分を、自分の家族を、先祖を振り返りたい。そんな気分を失くしたくない。

そう思いつつも、また明日から忙しい毎日が始まる。


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