風になった日

私はつい4年前まで、マラソンを一度も走ったことがなかったのだ。

監督と出会って、この4年間の時間の中で、私の人生は変わったし、人は変われるものなのだと、本当に実感している。

「自分はもう年だから」とか、「私は就職しちゃったから」とか、そんな諦めはまったく必要がない。

私のように弱い選手でさえ、夢や希望をもって頑張るだけで、こんなにも違う人生を味わうことができるのだ。

夢をもって頑張れば、必ずかなえられる。

シドニーオリンピック・女子マラソン金メダリスト、高橋尚子さんの著書『風になった日』の表紙カバーの裏側折り返し部分には、こんな言葉が記されている。

本当に、たった4年間でこんなにも変われるものなのだろうか。僕が、いくら夢や希望をもって頑張っても、まさかそこまでになるはずがない。何もマラソンに限らず、それ以外のことにしても・・・。

何度読んでも、そのたびに、こんな反論をしてしまう。

もっとも、事故や病気、一夜明けたら億万長者など、人生には予期せぬ出来事だってあるし、仕事や結婚、出産など、人生の節目における変化だってある。しかし、そういったことを除けば、自分の意志でそこまで自分を変えられるのは並大抵のことじゃない。

なのに、どうして高橋選手はやってのけたのか・・・。

たぶん、その違いは夢や希望の強さ、つまり、どれほどそれを実現しようと思っているかの差だと、僕は思う。誰でも、「自分はこうしたい」、「こんな自分になりたい」、「○年後には、必ずこうなっているぞ」といった夢を持っている。しかし、多くの場合、それは<できれば実現できたら>という夢であって、<絶対に実現させたい>夢ではない。そこに甘えがあるんだと思う。

本当に実現させたいのなら、それにふさわしい自分自身・・・なりふり構わず努力する自分、無我夢中でやり抜く自分、つまり、絶対にそれをやり遂げるんだという自分がそこにいなければならない。加えて、その思いを実現するまで、ずっと持続し続けることも必要になってくる。

僕がいつも、自分がそこまで変われないと思うのは、根底に、そういった絶対的な自分がいないからだ。まだまだ弱い自分、夢が夢で終わっても仕方がないという自分が、そこにいるからだ。

どんなささやかな夢であっても、絶対実現させるぞという気持ちがなければ、夢で終わってしまう。逆に、どんなに大きな夢であっても、絶対に実現してみせるぞという強い気持ちがあれば、達成できる。要するに、その違いなのだ。

何も、オリンピックレベルのことじゃなくても、これと同じような場面はいくらでもある。自分の弱さ、甘え以外の何者でもない。

<強く願えば夢はかなう!>

弱音を吐きそうになった時、この本を手に取ると、自分の心に眠る「夢」が呼び起こされる気がして元気が出る。


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