●いのち
今日は、新入生事前登校日。
自分のクラスの生徒と、初めて対面する日だ。
とはいっても、受け持つクラスは中高一貫コースなので、
ついこの間まで中学3年生だった生徒たちだし、
お互いに知っている間柄ではある・・・。
でも、教科担当として授業を教えていた時と担任とでは、
その位置づけも意識もまるで違うので、
新たな気分で対面することには変わりない。
担任になると、絶対にすると決めていることのひとつ、
それは毎日”学級通信”を発行すること。
記念すべき第1号を、今日発行した。
その中で紹介した、4月5日(木)付 朝日新聞:朝刊「天声人語」。
この季節にふさわしい、ステキな話なので皆さんにも紹介したい。
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こんなニュースを読むと、
生命を「いのち」と平仮名で書いてみたくなる。
体重わずか265グラムで生まれた女の赤ちゃんが、
無事に育って東京の慶応大病院を退院した。
日本ではこれまでで最も小さく、世界でも2番目という。
予定より15週早く生まれた。
体の機能が未熟だったため人工呼吸器をつけ、
へその緒の血管から栄養の点滴を受けた。
いまは自分でミルクを飲めるようになり、
体重も3000グラムに増えた。
生まれたとき、どれほど小さかったのか。
試しに手元のバナナをはかりに載せると、
ほぼ同じ260グラムである。
たったこれだけの重さに人間の生命が宿り、
消えることなく育っていった。
小さな「いのち」のたくましさに、粛然となる。
赤ちゃんには不思議な力があるらしい。
作家の大庭みな子さんは育児体験をもとに、
「放っておけば死んでしまうはかなさと哀れさで、
親の中から信じられない力 を引き出す」
と随筆に書いた。
わけても265グラムのはかなさは、
医師や看護師から、並々ならぬ力を引き出したことだろう。
退院していった赤ちゃんに、高階杞一さんの詩の一節が重なる。
〈……今から何十億年か前 そんな遠い昔からの約束のように
今 ぼくが ぼくという形になって ここにいる ふしぎだ〉。
高階さんは息子を3歳で亡くした悲しみを胸に、
いのちの言葉を紡いできた。
新しい学年の始まる季節。
自分も、まわりの友だちも、みんな遠い昔からの約束のように、
学校に、クラスに集う。
一人ひとり、一つずつ、いのちを持って。






